彪さんの安徽省紀行-3-(3)
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平成19年9月11日 黄山温泉から宏村にむかいました。
世界遺産 中国故村群の中の一つです。明、清時代の村落がそのままの姿で残っています。
写真などを見るととにかく”絵になる所”なので 興味津々です。



車窓から見える農村風景です。
白い壁に黒い屋根、丸く繰り抜いた出入り口・・安徽省の風情です。 稲が実り 所々で収穫が始まっていました。


さ、宏村につきました。
これが村への入り口
海老茶色が建物に気品を持たせています。

 ここで入村料を払って村内に入ります。





この村は 不思議なレイアウトになっているのですね。説明にはやたらと”牛”の文字が見えます。
なになに・・ふ〜ん 中央には牛の胃をあらわす半月型の池があって・・
村内には水の流れが縦横に走っていて それが牛の腸・・
南にある大きな池は ゆったりと膨らんだ牛の肚。
西にある川に架かった橋4本が牛の足だって!!





なるほど・・こんな形の村なのですか・・・
あまり はっきりとは分らないけど・・牛ですかね・・・
でも どうして牛なのか不思議です。なにかそれなりの主旨というか理屈と言うかがあるのでしょうね。
各家々に格言が掲げられていることでも分かるように、ここにも何か思想的な裏打ちがあるのでしょう。



村の南側 南湖の岸から村を見たところです。
穏やかな水面に大きな屋敷が映っています。







こちらの岸はこんな風。写真では分かりにくいのですが実は小学生から大学生まで大勢が所狭しと並んで対岸の景色を写生していました。


各家が白壁の塀を巡らし、しゃれた門を開いていて 絵心をそそる場所が沢山あります。
村の中にもこのとおり、狭い路地に画家たちが座り込んでいます。

もう一度、ゆくりと時間をかけて尋ねてきたいな。
その時は画仙紙帖をもって来よう!!
と思いました。





村の中心 月沼にきました。牛の胃袋です。
半月型の中央広場??・・
池になているので集会などできませんが
落ち着きを取り戻す空間になっています。





本当に美しい空間です。豆画家たちも写生に余念がありません。




大きなお屋敷の中です。扉や欄間には細かい木組みが施されています。






こちらは玄関を入った正面にある最も気品の高い部屋。日本なら奥座敷でしょうか。
柱には
「善を玉宝として一生用い、心を良田として百世耕す」
とあります。
椅子に掛けた二人がなんだか立派に見えますね。




やってきたのは村の学校。
優秀な子弟が集って、講義に耳を傾け、詩作や書画、などに勤しんだ 切磋琢磨の場。
そんな趣が残っています。






こちらは主人の書斎。屋敷の隅の三角の部屋です。欄干の下には小さな池があり鯉が泳いでいました。
学校もそうですが、深かめの庇の下に机を置いてあり、戸外とは間仕切りがありません。
自然とつながったままの雨読の世界なのですね。




村のなかには市場もあります。その入口では栗や栃の実などの木の実、オレンジなどを売っていました。
おいしそ〜〜
汪さんが覗き込んでいます。




旧家の棚にあった象牙の布袋さん、子供たちと戯れて・・・布袋さんも童顔です。



屋敷の門の近く、いい香りが漂ってきました。門の内側、門柱の横に道具を置いて焼きながら煎餅を売っています。



この村の特産品 並んでいるのは竹簡です。
硬い竹の表面に繊細に絵が彫刻されています。
なかには般若心経もありました。

スライドショウ→ ”写真集(宏村)”

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