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峨眉山月半輪秋
(がびさんげつ はんりんのあき)

一昨年秋 一日 野良仕事で過ごし ふと見上げると上弦の月(半月)が美しく輝いていました。秋の月と言えば “満月” が思い浮かび円かにくっきりと描くものだと思っていましたので 一寸した衝撃でした。
さっそく半月を読んだ詩を探して辿り着いたのが”李白”でした。

峨眉山月
李白「峨眉山月歌」

峨眉山月半輪秋
 峨眉山月(がびさんげつ) 半輪の秋
影入平羌江水流
 影は 平羌江(へいきょうこう)の水に入って流る
夜発清渓向三峡
 夜 清渓(せいけい)を発し三峡(さんきょう)に向かう
思君不見下渝州
 君を思えども見えず 渝州(ゆしゅう)に下る

この詩は青年李白が志を立て故郷を去って諸国遍歴に出る旅立ちの船中で詠んだそうです。
旅の第一夜は、清渓の桟橋を出て渝州を経て三峡に向かう平羌江の船旅です

出航は故郷の秋、見慣れた峨眉山に半分に切り取られた月が美しく輝いて掛かっていた・・・
船は渝州に向かって下っているけれど・・・

—ここからはいろいろ想像してしまいます。—

“君”とは”月”でしょうか
  雲か濃霧か深い渓谷の壁か?・・
  いつの間にか月が見えなくなってしまった。
  いや見えているけど峨眉山の半輪とは何処か違う!

“君”は恋人か友人かもしれない!
  もう一言話しておきたかった・・

旅の経路を並べて作られたこの詩は青年李白の詩仙たる力量を秘めた詩とのこと。

そんな大それた力量など持ち合わせていないけれど・・
半輪の月を美しく感じる事が出来た彪さん を”これで良し”としておきます。

「峨眉山月歌」・・・・第9回京都全日本水墨画・俳画・文人画秀作展

・・・・・・平成30年12月23日