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孤舟蓑笠翁獨釣寒江雪
(こしゅうさりゅうのおう ひとりつる かんこうのゆき)
水墨画教室に通うようになって3年が経ちました。そして今年も11月下旬、学期末恒例の生徒作品発表の場として第13回日中絵画篆刻展が開かれました。
今回は ”寒江獨釣(かんこうどくちょう)”と題して この画を出しました。
柳宗元の作と言われる詩「江雪」を味わいたくて描いたものです。
寒江獨釣
さて、その詩と言うのは
「江雪」       柳宗元
千山鳥飛絶   千山 鳥 飛び絶え
萬徑人蹤滅   萬径 人蹤を滅す
弧舟簑笠翁   弧舟簑笠の翁
獨釣寒江雪   獨り釣る 寒江の雪
「山という山から鳥の飛ぶ姿が消え,
径という径から人の姿も足跡も消えてしまった,
小舟がたった一艘 乗っているのは蓑笠姿の老人,
独り静かに釣り糸を垂れ・・・川面に津々と雪が舞う。」

連なる山山を眼下にして飛ぶ鳥の姿も途絶えてしまい、
樵や杣人が通った道も雪がかくしてしまった。
そのような寒空の下で ただ独り 川に小舟を浮かべて釣をする翁の姿
白銀の世界に溶け込んで釣りする蓑笠姿を 正に一幅の画として詠っています。
この詩は 官吏であった柳宗元が左遷により辺地での暮らしを余儀なくされ作ったとのこと

そう聞くと 心情余りあるものが伝わってきます。
蓑笠を着ていてもきっと寒さが身に染みることでしょう。

しかし 禅の語として用いられる場合は すこし違った読み方をするようです。

“深山絶壁、幽邃境の光景 情(じょう)尽き識(しき)滅したる悟りの境涯
渺渺たる寒江に 弧舟を浮かべて釣する老翁、寂々たる一境” (禅林句集)

とあります。
情尽き識滅したる悟りの境涯 とはどのような境涯 心のありよう なのでしょうか?
彪さんには見当もつきません。

一般的に この詩を描く場合には 景色の中に弧舟で釣する簑笠の翁 が描き込まれています。
しかし ここでは 老翁の境涯に触れられたら・・・と思い 敢えて小舟から見た景色として描いてみました。

 

・・・・・・平成23年12月10日