9.
啐啄同時
(そったくどうじ)
数日前から 佐渡のトキ保護センターで人工孵化のニュースが報じられ、
昨日から「嘴打ち」の様子が放映されていました。そしてついに今日雛の姿を見る事が出来ました。
「嘴打ち」・・ それを表す文字があります。「そつ」口偏に卒業の卒の字を書きます。「啐」です。
「啄」は親鳥が外から突付くことだそうです。内から必死で嘴打ちしその頃合を見計らって外から親鳥が啄ばむ、その的確さと親子両方の呼吸がぴったり一致する絶妙の絆を称える・・・・
「啐啄同時」はそんな言葉でしょう。

そしてこの言葉は禅の師弟の機微を表す言葉として用いられています。
自らを見つめ、なんとか眼(まなこ)を開いて安心立命の世界に入りたい・・・必死の修行を続ける弟子。
それを 時には優しく時には厳しく接しながら 機の熟すのを今か今かと見守り続ける師。
やがて 師の弟子に対する扱い方が一段と厳しくなります。
弟子も”ナニクソ”と頑張ります。
・・・・・・
・・・・・
・・・・そして
一夜・・・弟子は師の部屋から万感の思いを抱いて出て来ます。
「啐啄同時」が起こったのです。

・・・平成11年5月21日