18.
吾心似秋月碧潭清皎潔
(わがこころしゅうげつににたり、へきたんきようしてこうけつ)
平成18年10月中秋の名月が近づきました。
先日 仕事帰りに書店に寄りたくて通り抜けたJR名古屋高島屋11階。たまたま掛け軸の特売をしてたので何気なく立ち寄ってしまいました。
日本画、水墨画、墨蹟、・・・名品ぞろいのそのなかで目に入った一円相。円の繋ぎのあたりに人物を入れた構図が新鮮でした。
なんでも染めの絵付けをしておられる方の作品とのこと。流石だな~と思いつつ、その構成を拝借したくなりました。
「吾心・・」を描きたくて・・・
「吾心似秋月碧潭清皎潔」・・よく知られた寒山詩の一節です。
山中に隠遁し心豊かに過ごした寒山の澄み切った心がうらやましいほどに美しく詠われています。
そして この語は当然寒山の画に讃として添えられることが多いです。

しかし、ここでは人物として布袋さんを描いてみました。
だらりと手を下げて巷間をゆったりと歩いた布袋さん。
子供たちと戯れ、多くの人と交わり呵呵大笑。屈託の無い布袋さん。
その心はきっと寒山に劣ることなく秋月の如く澄んで欠けること無く円かに輝いていたに違いないと思うからです。

鏡のように澄んだ水面に静かに揺れる月影。天空の月と呼応して至福の妙景ですね。

そんな風情の中に身を置けば 少なくともそこに居る間だけは この彪さんでも自ずから心が皎皎と輝きを増し静寂安堵の世界に遊ぶことが出来るかも知れません。
何時もそんな風情の中に身を置いておきたいですね。そうしたら境涯も進むことでしょう。

とりあえず・・・一年に一度 この「吾心似秋月」を思い起こすことにいたします。

・・・平成18年10月3日